- 2012.04.26 Thursday 01:02
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- author:酒井 孝祥 SAKAI, Takayoshi
- 小屋入りしております

1週間前からの本多スタジオでの集中稽古を経て、月曜日より小屋入りしております。
通常よりは随分と早い小屋入りであるものの、今回は2本立て公演ということで、時間との戦いは相当にシビアです。
まして、小劇場の公演でありながら、出演者の総数は19名。
豊富な衣装に小道具、メイク道具やら何やらに溢れ、楽屋はまさに戦場です。
昨年1人で7役やったことを思えば、今回、僕個人の衣装替えはそれほど大変ではありません。
しかし、パラノイア名物とも言うべき殺人的な早替えは本公演でも健在ですので、是非楽しみにしていただければと思います。
これまで、なんだかんだありながらも、それなりに舞台に立つ経験をしてきました。
一昨年の8月以来、2ヶ月に一度のペースで、何らかの舞台に立って(あるいは高座に上がって)います。
しかし、今回の公演、かつてない程、本番を迎えるのが恐いと感じています。
初めて演劇の舞台に立ったとき、本番前日で場当たりが終了せず、本番当日に後半の場当たり、ロビー開場を遅らせての強引なゲネプロ、ゲネプロ終了して30分後には本番という状況で、頭が真っ白になってしまうくらいに切羽つまっていました。
その時よりもプレッシャーを感じています。
今回の作品は、自分がずっと出ていきたいと思っている、太平洋戦争を経験した日本人の想いを紡ぐ内容です。
そして、これまで経験したどの舞台よりも、素敵な仲間達に恵まれたと思っています。
もちろん、これまで一緒に舞台を創ってきた全ての仲間達が自分にとってかけがえのないない存在であることに変わりはありません。
どんなに時間が経過しようと、距離が変わろうと、同じ板の上の世界を共に生きた仲間で、その仲間がいなければ、自分の役はその世界に生きることが出来なかったのですから。
しかし、今回のカンパニーは、早い段階から、素敵な関係性が出来上がったという実感があり、これまでとは違う感覚があります。
だからこそ、良い作品を創りたいと思う。
ところが、現実の自分が稽古中にやったことが、あまりにも不甲斐なく、学芸会以下の様に感じてしまったときに、自分一人のせいで作品全体を駄目にしてしまうのではないかという、大きな恐怖を感じます。
今回の稽古中、本当に思いました。
自分は役者として才能もカケラもない、最低な人間だと。
相手役に集中しなければならないときにその姿がボヤけて見えるとき、自分がどの様に見られているのか、今の自分はおかしくないだろうかと感じたとき、かつて劇団主催者から、「お前は自意識過剰の典型だ!」と言われた時から、一歩も前進していないことに気がつかされます。
それは事実として認めなければならない。
その事実から目を背けて、自分には才能がある、技術があると思ってしまったら、その姿はリアルに喜劇でしかない。
そのことを認め、これが初舞台と思うほどの謙虚な心を持って、そんな自分を受け入れ、互いに良い作品を創ろうと手を差し伸べてくれる仲間達を信じ、己を委ねることが出来れば、必ず素晴らしい作品が完成するはず。
かつて、初めてブライダル司会の仕事をしたとき、未経験で技術もないにも関わらず、新郎新婦にとても喜んでもらえたのは、初めてだからこその新鮮な気持ちと、とにかくお二人に喜んでもらいたいという、純粋で真っ直ぐな気持ちがあったからです。
今回の舞台も、そんな初心を思い出して挑みたいです。
そして、何よりも忘れてはならないのは、演劇は、自分のためにやるのではなく、仲間のためにやるのでもなく、観に来て下さったお客様のためにやるということ。
どんなに素晴らしい作品を作ったとしても、それを受け入れてくれるお客様がいなければ、演劇は存在出来ません。
一緒に舞台空間を創るお客様に一人でも多くご来場いただくことが、役者にとっての何よりもの糧です。
それをいただいたお返しに、お客様が美しく生きるための糧を与えることが出来れば、それにまさる幸せはなく、自分はそのために生きているとさえ言えます。
酒井が出演する「皸割れた盾」は、戦後復興の時代を逞しく生きた人々の物語で、重い話になるかと思いきや、とても希望に満ちた、明るい作品に仕上がりそうです。
酒井は、特攻出撃から奇跡の生還を果たした復員兵を迎え入れる、その弟を演じます。
お時間とご興味がございましたら、是非、観にいらして下さい。
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このブログでは、酒井が演劇を観た感想、それに対して思うことを“劇評”というカテゴリー内で書き綴っております。なかには、率直な感想、意見を述べているため、批判的ともとれる内容が含まれるかもしれません。ですが基本的に、酒井が劇評を述べた作品の主催者には、このブログのURLをメールして、“掲載内容に問題があったら削除・修正いたします”ということを伝えてあります。ブログで観劇感想を述べることが一般化しており、劇団によっては、良い意見悪い意見問わず、自作品の劇評を述べたブログへ、劇団公式HPからのリンクを積極的に行っているところもあります。僕自身がそうなのですが、自分の出演した舞台や観に行った舞台の率直な感想を他人の視点から見るのが好きで、公演タイトルや劇団名などで検索をかける人も少なくはなく、ブログで劇評を述べることは、ある意味、演劇界を盛り上げることになると思っております。ただ、やはり個人の主観から述べていることなので、たとえ主催者側に内容を伝えてあったとしても、人によっては誤解を招く内容、不快な思いのする内容があるかもしれません。もし、僕の述べた劇評に関して(もちろん劇評に限らず)意見がございましたら、上記の酒井のアドレスまでご連絡下さい。







